歯医者に行って、初めて気が付くのですが、歯ブラシだけでは、歯垢が十分に落ちていないことが多いようです。最近の歯ブラシは毛先が極細(テーパードの毛材は東レ・モノフィラメント株式会社で生産されています。http://www.toray-mono.com/product/pro_a004.html)で、歯と歯茎の境界にある歯垢は極細の毛先の歯ブラシでいかにもすべて汚れが落ちるような感じですが、歯と歯の間(歯間)にある歯垢はさすがにブラシの毛先が到達できない部分があるようです。但し、機能的に従来の毛先(ラウンド型)よりもテーパードの毛先の方が歯垢の除去率は高いです。(日歯周誌 36(1):206~)214、1994「高度テーパード毛歯ブラシのプラーク除去効果に関する研究」)
話は変わりますが、アメリカと日本では、高齢者の残存歯の数に差が出ていて、前者が多くの歯を残しています。口腔ケアでの歯ブラシの普及率は大きく変わりはありませんが、歯間清掃具はアメリカが約7割で、日本は約4割でした。同様に洗口液は前者が約7割、後者は約3割です。このことから、磨き残しが高齢者の残存歯に何らかの影響を与えているのではないかと考えられています。
アメリカで普及率の高い歯間ブラシやデンタルフロスを使用すると、歯間部の歯垢除去には、どの程度の効果があるのでしょうか?
歯ブラシによるブラッシングだけでは、歯と歯の間のプラークの6割しか除けなかったのに対して、フロスを併用すると8割まで高まります。さらに歯間ブラシを加えると9割弱まで除去できます。
残存歯を守る上で歯ブラシ以外に歯間清掃具を活用することがポイントになりますが、しかし、歯間清掃具だけで100%完璧に歯垢が除去できるわけではないので、残りは何らかの殺菌効果のある洗口液などを併用して、少しでも歯垢の形成の原因を減らすことも重要です。
(参考:「何でも調査団、レポート5」 より
http://chosa.nifty.com/cs/catalog/chosa_report/catalog_130627002503_1.htm)