「研磨力とステイン除去力」を再考する

 

「研磨力とステイン除去力」については以前当ブログで紹介しました。そこでは研磨性があると清掃力(ステインなどの除去力)が向上する傾向がありますが、研磨力が高すぎるといけないのでRDA値は250以下が推奨されていました。出来るだけ少ない研磨力で高い清掃力を発揮する歯磨剤が理想です。

ところで、研磨力(Relative Dentin Abrasivity RDA)とステイン除去力(Pellicle Cleaning Ratio PCR)の対照の標準物質ピロリン酸カルシウム(ADA)として用いられ、RDA値が100で、PCR値が100と定められています。実は低研磨性でPCR値が100を超える歯磨剤は少数のようです。以前のブログで掲載したグラフを見ると3製品でした。

最近のホワイトニング系歯磨剤の研磨性と清掃力に関する資料を整理すると次のようなグラフなります。この報告の原本では歯磨剤の商品名と製品別のRDAPCRのグラフが載っていましたが、省略しています。下記のグラフは論文のグラフから数字を読みとって新たにPCRRDAの関係のグラフを書き起こしています。

Abrasion, Polishing, and Stain Removal Characteristics of Various Commercial Dentifrice In Vitro  J. Clin. Dent.2011;22:11-18

PCR_RDA03

ホワイトニング系の歯磨剤なので、ややRDAが高めに寄っていますが、PCR値が100以上の製品が多いようです。

コスミオン ホワイトニングペーストで採用しているピロリン酸カルシウムはほどほどのRDA値で比較的PCR値が高い部類であることわかります。

このようなRDAPCRの適正を評価するために、Shemehornらによって洗浄効率指標(Cleaning Efficiency Index CEI)が導入され、次の式で算出して表した。

 

CEI=(RDA + PCR - 50)÷ RDA

 

この式は適切な清掃力(洗浄力)を提供するために少なくともPCR値が50必要であることが臨床データで示されたことから-50となっています。この値が1より小さいとホワイトニング力すなわち清掃力が不足していることになります。

この式にピロリン酸カルシウムを当てはめると、CEI値は1.5になります。

ピロリン酸カルシウムを配合しているコスミオン ホワイトニングペーストの清掃力は!?

これについてはWEBの「コスミオン」でご確認を!